舩越建設株式会社
建設DX実践記

作業員名簿を数えたら、35歳未満の施工管理資格者がゼロだった

2026年1月に鳥取県大山町へ戻り、家業である当社の取締役に就きました。まず知りたかったのは「この会社の技術力は、あと何年もつのか」です。感覚ではなく数字で把握するため、現場の安全書類として整備している作業員名簿(21名分)をAIに読み込ませ、資格欄と年齢の棚卸しをしてみました。

名簿から見えた数字

集計は30分ほどで終わりました。結果は次のとおりです。

  • 施工管理系の資格保有者は11名(1級土木施工管理技士7名、2級土木施工管理技士1名、2級建設機械施工技士3名)
  • この11名の平均年齢はおよそ60歳。1級保有者のうち2名は69歳です
  • 35歳未満で施工管理資格を持つ社員はゼロ
  • 20〜30代の社員は4名いますが、全員が玉掛けなどの技能講習どまり
  • 電気系の資格(電気工事士・電気主任技術者)の保有者はゼロ

施工管理資格者11名は平均およそ60歳(1級土木7名・2級土木1名・2級建設機械3名)である一方、35歳未満の資格者は0名。20〜30代の社員4名は技能講習のみ

1級土木が7名というのは、社員21名の会社としては厚い陣容だと思います。ただしその内訳を年齢で見ると、景色が変わりました。数年のうちにベテラン2名が引退すれば1級は5名になり、10年後には、いま50代の主力も60代に入ります。一方で、次の世代の資格者はまだ一人もいない。「なんとなく高齢化している」という感覚が、時間軸のあるはっきりした課題に変わった瞬間でした。

数字にすると、打ち手が決まる

棚卸しの結果を踏まえて、いま社内で検討しているのは次の二つです。

  1. 若手4名への2級土木施工管理技士の受験支援。2級の一次検定(合格すると技士補)は17歳以上であれば実務経験なしで受験できます。まずここから始めるのが、会社の将来の配置技術者を確保するいちばん確実な道だと考えています
  2. 私自身の資格取得。役員が口だけで「資格を取ってほしい」と言っても説得力がないので、まず自分が施工管理の資格勉強を始めました。勉強の中身や経過も、このブログで書いていくつもりです

AIをどう使ったか

特別な仕組みは使っていません。Excelの作業員名簿をAIに渡し、「資格欄と年齢を集計して、年代別・資格別に整理してほしい」と頼んだだけです。手作業でもできる集計ですが、AIに任せると表の整形や年代の区分けまで一度に終わるので、「思い立ったその日に全体像が見える」のが利点でした。

名簿は現場入場のための安全書類なので、役員や事務系の技術者は載っておらず、資格欄にも記載漏れがあり得ます。AIの集計はあくまで出発点で、最後は社内での確認が必要でした。この「AIで9割まで進めて、最後の1割を人が確かめる」という分担は、ほかの業務でも同じだと感じています。

同じ立場のみなさまへ

技術者の高齢化と担い手不足は、当社に限らず地方の建設会社に共通する課題だと思います。もし同じ立場でしたら、作業員名簿の棚卸しはその日のうちにできて、会社の時間軸が見える良い出発点になります。

当社では、こうした「実際にやってみた記録」を今後も発信していきます。うまくいったことも、空振りだったことも含めて書いていきますので、参考になれば幸いです。

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